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世界経済フォーラム発行 グローバルリスク報告書2024年版を読み解く~企業としてのグローバルリスクへの対応アプローチを解説~

日時:2024年7月18日(木) 14:00~15:20(13:30会場受付開始)
形式:ハイブリッド開催(会場開催+Zoomオンライン+オンデマンド配信)
 [会場]海外投融資情報財団(JOI)大会議室 MAP
 [会場定員]30名
主催:マーシュブローカージャパン株式会社、一般財団法人海外投融資情報財団
使用言語:日本語

グローバルリスク報告書は、世界経済フォーラムが毎年1月中旬に発行する報告書であり、世界が直面する重大なリスクを分析・予測している。リスクを、経済、環境、地政学、社会、技術の5つの分野に分けて、今後2年間もしくは10年間に発生する可能性が高く、影響が大きいと考えられるものを列挙すると共に、それらへの対策を提言している。本報告書は、世界経済フォーラムの年次総会(通称ダボス会議)に先立ち発行される。今年は1月15~19日の5日に亘ってスイスのダボスで開催され、「信頼の再構築」というテーマのもと、分断された世界が協力・協調の方策を探ると共に、新たなテクノロジーがもたらす機会と、それらが意思決定とグローバル・パートナーシップに与える影響を中心に議論が交わされた。

年次総会から半年が経ち、報告書にて指摘するリスクが現実のものになろうとしている。例えば、「偽情報と情報操作」のリスクは、各国での選挙の公平性や社会の安定を脅かす要因になっている。また、このリスクは、「社会の二極化」を誘発し社会不安を起こしつつある。一方で、「異常気象」リスクは、地球規模で市民生活や農業に影響を及ぼし、サプライチェーンの停滞にも繋がっている。今年で19回目を迎えた本報告書で取り上げられるリスクは、その名の通りグローバルレベルの重要リスクであり、将来にわたってその発現が想定される示唆に富んだものである。しかし、一企業(団体・組織含む)にとっては、そのリスクが抽象的かつ大きすぎて捉えることが難しい面があることも否めない。

本講演では、グローバルリスク報告書2024年版の概要を紹介するとともに、海外展開する日本企業にとってのグローバルリスクへの対応アプローチについて解説を行う。これは、企業にとっての統合リスクマネジメントにおける、本報告書の活用のヒントになると考えられる。

プログラム

14:00-14:20
グローバルリスク報告書2024年版の概説

平賀 暁(マーシュブローカージャパン株式会社 取締役会長)

  • グローバルリスク報告書の特徴の一つとして、リスクリストが2種類存在することである。リスクスペシャリスト1,400名から成るグローバルリスク意識調査(GRPS)に依る34のリスクと、全世界の企業経営者である約12,000名から成るエグゼクティブ・オピニオン調査に依る36のリスクである。それらを概説すると共に、リスクが他のリスクへと連鎖する、あるいは複合的に発生する(ポリクライシス)などリスクの特徴について紹介する。日本で施行された経済安全保障推進法を紹介しながら、リスク抽出と分析の重要性も紐解く。

14:20-15:00
企業としてのグローバルリスクへの対応アプローチ

桐原 憲昭(マーシュブローカージャパン株式会社 バイスプレジデント)

  • 複雑系であるリスク事象を理解するには、要因分解をしていくことが基本アプローチとなる。一企業では対応の難しいグローバルリスクであっても、要因を個別に分解していくことで、自社事業との関連や対応策が見えてくる。ここでは、その対応アプローチについて、次の5つのステップに分けて事例を示しながら、解説を行っていく。ステップ1:リスク事象の抽出、ステップ2:影響因子の構造化、ステップ3:リスクシナリオ作成、ステップ4:バリューチェーン分析、そしてステップ5:戦略的意思決定となる。

15:00-15:20
質疑応答